はじまり。
これはとある旅人の話。
澄み渡る水にポツンと浮かぶ菖蒲の花をのぞみ、
ちょこんと座っていた人がいた。
仕事の疲れを癒しにでも来ているのだろうか。
汚れた服を着ている。髪型はぺしゃんこ。
それでも静かに自然の織りなす景色、音を堪能していた。
と、思う。
ポケットに入れている携帯が『ピョコ、ピョコ』と連続して鳴っている。
気が付いていないわけがない。
ただ10分くらい放置したあとに、徐にポケットに手を伸ばし、真っ赤に染まったアレを取り出したのだ。
その赤いアレをめくり、覗き込んだ。
10秒ほどたっただろうか。
いきなり途轍もないスピードでアレに向かって連打を始めたのだ。
・・・・・
音はない。ただ、早い。
15秒ほど連打を繰り返したと思ったら、すっと立ち上がり、去って行った。
世間は明日からゴールデンウィーク。
彼に何が起きようとしているのか。この時、誰も知る由はなかった。
と思う。
----------------------------------
翌日、パソコンを開いた。
しばらく何かを検索したあと、ごはんを食べに出かけた。
帰ってくるやいなや、パソコンの前に座った。
画面には、小さなキャラクターが表示される
いろんな顔、髪型が替えることができ、納得がいくまで吟味してから
名前を付けた。
名前は、
「Piro Izu」
Piroは、仲のいい友達にぴっちゃんとか、ピロさんと可愛い感じで呼ばれていたために、即決定。
Izuは最近可愛いファッションモデルいるなとおもって、悩みに悩んで決定。
こうしてとある旅人は、
「Piro Izu」という名前をつかい
ファイナルファンタジーⅩⅣの世界に飛び込んでいった。